生理痛・PMS・PMDDの症例

●症状
生理１週間前からお腹の鈍痛が酷く薬を飲んでなんとか仕事をしているが、休みの日は痛くてずっと寝ている。生理3日目くらいから頭痛が始まる。こうなると仕事も手につかなくなり休むこともある。整体や鍼もやったことはあるが効果はなかった。今回、知人が同じような症状で良くなったのを聞き、知人の紹介で来院。

●施術内容と経過
初診　生理1週間前。お腹が痛くて辛い。下腹部が固く臍の横や下に硬結がある。これは瘀血といい古い血が溜まっている状態である。東洋医学的に診て瘀血を動かす足のツボを押すと痛みが強い。ここに鍼をし瘀血を動かす施術をするが1回の施術で動くものではない。下腹部の痛い所に鍼とお灸で温める。仕上げに東洋医学的な全身調整をして終了。次回は頭痛が出たら来てもらう事にした。

2回目　生理3日前。頭が痛い。肩の凝りも強くなっている。のぼせもある。血の流れが滞っていて熱が上へ登り降りてこれなくなっている。熱を降ろすために肩を緩め子宮、仙骨を調整して頭痛は半分ほどに落ち着いた。以降週2回の施術で体質を改善を目指し、次回の生理前の状態を診てみることになった。

9回目　生理1週間前。お腹の痛みが全然違う。痛みはあるが前回を10だとすると3程度とのこと。

10回目　生理3日前。頭痛はまだない。のぼせた感じもない。

11回目　生理2日目。頭痛は生理前日に少し出たが大した事はなかったとの事。週1の施術に切り替え。

15回目　生理3日目　今回もお腹の痛みも頭痛も少しだけで全く苦にならなくなったとの事。以降は健康管理として隔週に切り替え。

●考察
生理痛は血が少ない事と瘀血(古い血)が原因の多くだと思います。血が少ないと身体が冷え痛みが増します。血に陽気があるからです。冷えると流れも悪くなります。まずこの瘀血を改善させ流れを良くします。そして血が増える方向へ体質を改善していきます。現代は冷房や冷飲食、ファッションなど身体を冷やす原因を作るものがそこら中にあり、特に若い方は冷えている人がとても多い印象です。「冷えは万病のもと」逆に言うと温めれば色々な症状が改善されると思います。

瘀血を改善させ血を補う鍼灸施術を重ねていきＰＭＳから解放される身体作りをして行くことをお勧めいたします。

当院では痛みをできる限りその場で軽減させ、その痛みの根本にある原因を東洋医学的に考え改善させる事を目的とした個人個人にあったオーダーメイド治療をしていきます。

●症状
現在高校３年生だが半年前位から生理３日前くらいになるとお腹が張ってきて気持ち悪くなってくる。便秘や吐き気が辛く食欲もない。母親の知人から紹介してもらい母親と来院。

●施術内容と経過
初診　まずお腹を触ると固い。生理前に分泌されるプロゲステロンが胃腸の動きを悪くさせている為、お腹が張って固くなると吐き気に繋がると考えられているが、それが原因なら生理前は女性は必ず吐き気が来る事になる。PMSの原因はまだハッキリと分かっていないらしい。
まず足のツボでお腹を緩める。お腹が緩むとだいぶ楽になる。次に東洋医学的な全身調整を行う。普段から貧血傾向らしく、血が少ないと筋が固くなる(血が筋肉を滋養する)ので、生理前になると固いのが余計に固くなる。血が増えやすいよう全身調整をしてコツコツと体質を改善させていく。週１回通ってもらう。

２回目　7日後来院。生理4日目。前回治療後お腹が減ったらしい。それと便秘だったのが出たという。同じような治療を繰り返す。体質はいきなりは変わらない。コツコツ続ける事が大事である。

6回目　生理3日前。不思議と吐き気は全くない。便もほぼ毎日出ている。身体の中の瘀血(古い血)や便などの詰まっていた物がないから多少胃腸の動きがプロゲステロンで悪くなっても苦しくないという事なのだろうか。

12回目　念のためもう1か月施術を続け、次の生理前も順調だったので終了とした。

●考察
東洋医学的に診て今回のように普段から筋が固くなっている原因は２つ考えられます。まず今回のような血が少なく筋肉を滋養出来ないためお腹全体が固くなっている。もう一つはお腹を触っても固くないように感じるが、お腹の奥の方に固い物がある。これは瘀血といって古い血が溜まって出来たもので、これがピンポイントで圧迫されて吐き気に繋がっているのではないかと考えます。この２つをクリアするとよくなる方が多い印象です。

体質が改善されるとその他の色々な病症の改善も見込めます。

当院では痛みをできる限りその場で軽減させ、その痛みの根本にある原因を東洋医学的に考え改善させる事を目的とした個人個人にあったオーダーメイド治療をしていきます。