ぎっくり腰の症例

●症状
起床して顔を洗おうとかがんだらグキッとなった。その日は我慢して会社へ行きなんとか一日を乗り切った。翌朝起きてもたいして良くなっておらず、知人に勧められ来院されました。

●施術内容と経過
初診　動きで確認すると前屈時に痛みが強く、立ち上がる時にも痛みが出ていた。下肢後面の筋が固い。
腓骨頭辺り、臀部、大腿部後面へ鍼をした所、前屈時の痛みはかなり軽減した。
立ち上がる時の痛みがまだ強く臀部の違うツボへ鍼をし軽減した。
仕上げに東洋医学的に診断し全身の調整を行って終了。

2回目　3日後来院。痛みは２割くらい残ってるくらいで生活に支障はないとのこと。動きを確認したところ前回は右が痛みが強かったのが左に移ったという。
これは痛みが移ったのではなく、人は複数の痛みを同時に感じることは出来ず、複数の痛みを同時に感じると脳が混乱してしまうので、一番痛い所以外の情報を遮断しています。なので痛みの順位が変わると痛みが移動したように感じるんですよと説明。前回と同じような鍼を左右逆にして終了。施術終了後痛みはほとんどないとの事。
以降不調はないが健康管理として隔週通われています。

●考察
朝一は筋肉も目覚めたばかりでまだ固い状態ですのでぎっくり腰をやってしまう事がとても多い時間帯です。ぎっくり腰の多くは骨盤あたりの仙腸関節という所に問題があることが多いです。そこの関連のある筋肉を緩めて痛みを緩和させていきます。ただその時緩めただけでは時間がたてばまた再発される事も多いかと感じます。ぎっくり腰は癖になるとも言われています。そこでなぜ筋肉が固くなったかの根本にある原因を東洋医学的に考えます。

東洋医学的には腰痛は腎陰虚が多く感じます。これは身体の中の津液(水)が少ない、または水の巡りが悪い状態です。東洋医学では筋肉を滋養しているのは血と言われています。その血の中の水が少ないため筋肉が上手く滋養されず筋肉が固くなって動きについていけずグキッと痛めてしまったと考えられます。
腎陰を補う鍼灸施術を重ねていきぎっくり腰になりにくい身体作りをして行くことをお勧めいたします。

当院では痛みをできる限りその場で軽減させ、その痛みの根本にある原因を東洋医学的に考え改善させる事を目的とした個人個人にあったオーダーメイド治療をしていきます。

●症状
仕事中にテーブルに乗っている荷物を持ち上げた瞬間背中がグキッとなった。痛めた瞬間は呼吸も出来ないくらいでパニックになった。徐々に落ち着いたが浅い呼吸しかできない。仕事の帰りに来院されました。

●施術内容と経過
初診　以前来院された時のぎっくり腰よりも上部の右腰背移行部あたりに痛みが強い。呼吸をするのも痛い。動きでは後屈が出来ない。背部ー仙腸関節ー横隔膜の連動を疑う。痛みで横になれなかった為、座位にて膝周りと手に施術し首のツボを使い横隔膜を緩め多少痛みが落ち着いた。ここで横になれそうという事で横向きに寝てもらい、臀部に鍼をして痛みが半分くらいになったところで東洋医学的な全身調整をして終了。

２回目　２日後来院。痛みは３割ほど残っているが呼吸は通常どうり出来る。横になるときや体制を変える時に体幹に力を入れると痛みが出る。痛みが出る脊柱の高さに対応した鍼をし臀部背部に施術、仕上げに全身調整をして終了。

前回治療後、痛みとは別の件でいつもは夜中に何度も目が覚めたのだがぐっすり寝れた。また便秘気味だったのがすっきり出たとの事。これは東洋医学的な全身調整を行ったため気血水の巡りが良くなったからだと説明。

●考察
この方は身体が固くよく筋肉を痛めるそうです。その他の症状を聞いてみるとPMS(月経前症候群)、睡眠が浅い、便秘、など血が少ない、血の巡りの悪い病症が多いです。筋肉は血が滋養しています。東洋医学的な鍼灸施術で血が増えやすい体質へ改善させ、瘀血(古い血)が身体に溜まっていて巡りを悪くしている状態も、瘀血を処理する施術をしていくと痛めにくい筋肉へと改善されていきます。そして体質が改善されるとその他の色々な病症の改善も見込めます。

当院では痛みをできる限りその場で軽減させ、その痛みの根本にある原因を東洋医学的に考え改善させる事を目的とした個人個人にあったオーダーメイド治療をしていきます。